日本人アマチュアが発見した新星から

新星爆発に伴なうガンマ線を初めて検出

 

サイエンス誌 201083日号に掲載

“Gamma-ray Emission Concurrent with the Nova in the Symbiotic Binary V407 Cygni”

 

日・米・欧共同開発のフェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡チームと、京都大学花山天文台、広島大学宇宙科学センターの「かなた望遠鏡をはじめとする可視光観測チームの共同観測研究(論文責任者Teddy Cheung(米海軍研究所))により、日本のアマチュア天文家の福岡県久留米市の西山浩一と佐賀県みやき町の椛島冨士夫20103月に発見したはくちょう座新星から、新星爆発に伴い最高で約100億電子ボルトものエネルギーをもつガンマ線放射されていることが初めて明らかになりました。新星爆発の際にこれほど高いエネルギーのガンマ線が放射されるとは以前の研究では考えられておらず、今回の研究によりガンマ線を放射する新種の天体が発見されたことになります。この研究成果は、アマチュア天文家の発見と様々な観測手法を駆使するプロの研究者の連携が非常にうまくいったことで、得られたものということができるでしょう。

 

1:フェルミ衛星によるはくちょう座新星(はくちょう座V407)の

1億電子ボルト以上のエネルギーのガンマ線による画像。

左は発見以前のもので、右は発見後のもの。明るい部分ほどガンマ線が強い。

両方の画像の右下に見えている明るい天体はパルサー。

NASA/DOE/Fermi LAT collaboration提供)

 

2:はくちょう座V407の発見直前の画像(左)と発見画像(右)。

発見時の明るさは6.9等で3日前の10倍の明るさになった。

(西山浩一、椛島冨士夫、前原裕之(京大花山天文台)提供。時刻は日本時間

 

 

・フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡、ガンマ線観測、「かなた」望遠鏡についての問い合わせ先

 広島大学 宇宙科学センター 特任助教

 高橋弘充(082−424−7379hirotaka _at_ hep01.hepl.hiroshima-u.ac.jp

 

・はくちょう座新星の可視光での発見についての問い合わせ先

京都大学大学院理学研究科附属天文台 花山天文台 教務補佐員

前原裕之(070−5588−4495maehara _at_ kwasan.kyoto-u.ac.jp

 

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