左は、銀河団の光のイメージに重ねたX線強度分布の等高線。右は銀河団からのX線放射のスペクトル。
銀河団は、狭い領域に多くの銀河が集まった天体であり、宇宙には多く存在する。銀河団は、銀河と銀河の間に存在している高温ガスによりX線で非常に明るく輝いている(左図)。この高温ガスの質量は、可視光で光っているものの数倍にも達し、銀河団は高温ガス体と思ってもよい。さらに、この高温ガスを閉じ込めるために、ガスの数倍のダークマター(どの波長でも光っていない)の存在が示唆されている。X線には右図のように珪素、硫黄、鉄などの元素からの輝線が観測される。
こうしたX線を調べることにより、銀河団の進化、ダークマター、宇宙の構造形成、宇宙論パラメータ、重力レンズについての研究を行うことができる。また、銀河団は最近は宇宙線の加速現場としてクローズアップされており、その研究にX線ガンマ線観測は必須である。