天球上の一点から突然、数分の一秒〜数百秒にわたりガンマ線が降ってくるガンマ線バースト。1960年代にはその存在が知られていたが、その後30年にわたり、どういった天体現象であるか、どの程度の距離に位置するものなのかが謎のままであった。1997年、ガンマ線で光った後に、X線や可視光、電波で次第に暗くなる残光が見つかってから、数十億光年という非常に遠方の宇宙論的距離であることが判明し、その爆発エネルギーは宇宙最大規模であることがわかった。そして、その一部は極超新星と呼ばれる特殊な爆発である可能性が高まってきている。ガンマ線そのものや残光を調べることによって、爆発の正体をさぐるべく、世界中の研究者がさぐっている。また、ガンマ線バーストは宇宙一明るいため、これまで見えていない遠方の宇宙をプローブするものとしても期待されている。


ガンマ線バーストのメカニズムのモデル。大質量星の重力崩壊に伴って光速の99.99%にも達するジェットが放出され、衝撃波を通して、ビーム状にガンマ線や残光を放出する。