X線天文衛星を用いた宇宙観測
 「あすか」(ASCA)は、「はくちょう」「てんま」「ぎんが」に続く日本の第4番目のX線天文衛星であり、宇宙科学研究所を中心に開発され、1993年2月20日に鹿児島宇宙空間観測所(KSC、鹿児島県肝属郡内之浦町)からM-3SII-7ロケットによって打ち上げられ、2001年3月に大気圏に突入して観測を終えた。観測バンドは、0.5-10 keV であり、イメージとスペクトルの取得を行うことができる。
 「あすか」は、光で見えている大部分の天体を観測することができるため、本グループでは研究対象を特に限定はしないが、今まで力を入れてきているのは銀河・銀河団であり、銀河中のブラックホール、中性子星、高温ガス、活動銀河核(AGN)、銀河団高温ガスを調べることによって、銀河・銀河団の進化に迫ったり、高エネルギー現象の解明を行っている。
 加えて、国外のBeppoSAX(イタリア,1996-)、Chandra(USA,1999-)、Newton(ESA,2000-)などのX線天文衛星に積極的に観測提案を応募しており、今までいくつかの提案が受け入れられて観測が行われ、近傍銀河の中心に潜む巨大ブラックホールからのX線を検出したり、銀河団中の泡などを発見している。このほか、岡山天文台を利用して天体の可視光の偏光観測も行っている。これらと「あすか」のデータと相補的に用いることによって、研究の幅を広げている。

        
銀河団の可視光の像にX線イメージを重ねたもの(左)。   M51銀河の中心に見つかった巨大ブラックホールからの
X線では可視光で見えない高温ガスが見えている。     X線放射のスペクトル。隠れた巨大ブラックホールはX線で見                                    つけやすい


我々の隣の銀河(アンドロメダ星雲)の可視光(左)とX線(右)のイメージ。
X線では、パルサー、ブラックホール、超新星残骸などが明るく輝いているのが見える。