次世代ガンマ線天文衛星GLASTの国際共同開発
 GLASTは、2007年打ち上げ予定になっているアメリカのガンマ線天文衛星で、1990年代に活躍したCOMPTON衛星搭載EGRET検出器の後継であり、観測バンドが50MeV-300GeVほどで、EGRETより感度が2桁ほど良くなる。MeV/GeV領域はX線領域に比べてまだ未開拓の領域であり、最近になってEGRETによって進展を見せ、さまざまな予想もしてなかった天体からMeV/GeVガンマ線が検出された。GLASTではEGRETで検出した天体数(数百)を多く上回る数万の天体を検出できると期待されており、このエネルギー領域の観測が一気に進展すると思われている。
 我々は、高エネルギー実験で培った半導体検出器シリコンストリップのトップクラスの実績を買われ、ガンマ線の到来方向を決めるトラッカー部のシリコンストリップセンサーを担当しており、実際に衛星に搭載されるセンサーの試験が進んでいる。また、検出器の動作を理解するためのキャリブレーション実験やGeant4を用いた検出器シミュレーターの開発も進めている。特に、本年度はアメリカで行われる気球実験に参加する予定である。