シリコンストリップは、これまで粒子の飛跡の検出に使われてきた実績はあるが、 エネルギー分解能の良い大面積半導体検出器としての使用例はほとんどない。 特にエネルギー分解能は、位置決定精度にも関係する。 そのため、我々はエネルギー分解能の良いシリコンストリップを目指すため、 シリコンストリップの構造自体の改良や多チャンネル低雑音プリアンプの開発を 行っている。
本年度は、電極構造を改良して低ノイズと歩留まりの向上を目指したものを 片面シリコンストリップセンサーで試作して、その評価を単体プリアンプで 1chだけ読み出して行った。 その結果、低ノイズの効果は少し見られ、低エネルギーガンマ線照射 によるエネルギー分解能は 1.0keVくらいを達成することがわかった。 これにより、シリコンストリップは低エネルギーガンマ線検出用としても 問題なく動作することが確認された。 プリアンプの性能がさらに向上すれば、もっと良いエネルギー分解能が期待され る。