next up previous
次へ: コンパクトな位置検出型ガンマ線シンチレータの開発 上へ: 次世代ガンマ線観測装置・多重コンプトンカメラの開発 戻る: 低エネルギーガンマ線検出用シリコンストリップの開発

高阻止能シンチレータ+フォトダイオードの開発

シリコンストリップで散乱したガンマ線を効率よく止めるためには、高阻止能の シンチレータを用いる必要があり、良いエネルギー分解能と位置感度が必要であ る。 そのため、我々はHXDで経験を持つBGO/GSOシンチレータをフォトダイオードアレ イで読み出すことを進めている。 フォトダイオードを用いることにより、小型化、アレイ化が可能となり、 MeV領域でエネルギー分解能がPMTよりも良くなる可能性がある。 本年度は量子効率が高くて容量を小さくしたフォトダイオードを試作し、 BGO/GSOと組み合わせて、その特性を評価した その結果、MeV領域でBGO/GSOともにPMTで読み出したときとほぼ同じエネルギー 分解能を達成し、NaI/CsIなどに比べても遜色ないことがわかった。 また、Geant4によって多重コンプトンカメラをシミュレートした結果、 これらのシンチレータを使うことにより、MeV領域まで良い検出効率を持つこと が確認された。

図 0.3.5: BGOシンチレータを高量子効率低ノイズPINフォトダイオードで読み出し たときに、いろいろなエネルギーのガンマ線を当てて得られたエネルギー分解能。 1MeVを超える辺りで、PMTで読み出したときと同じ分解能になっており、また 従来のNaIなどに比べても遜色ない分解能が得られている。
\begin{figure}\begin{center}
\epsfxsize =9.5cm
\vspace{3cm}
\centerline{\epsfbox{bgo-eres.ps}}\end{center}\end{figure}



Yasushi Fukazawa 平成14年5月25日