GLASTに用いられるシリコンストリップセンサーは、我々の研究室が設計開発した
ものである。
実際に搭載されるセンサーの製造が本年度から本格的に始まり、その性能モニター、
製造プロセスのチェックなどを責任を持って行なっている。
具体的には、浜松ホトニクスからの集荷時のデータ集計、広島大学工学部施設でのガン
マ線照査による放射線損傷の確認を毎月行なっている。
今のところ問題なく製造は進んでおり、
本年度中に4000枚(全体の40%)が製造されている。
空乏化電圧、リーク電流ともに
性能の良い状態のものが安定して製造されており、我々の設計が正しかったこと
が証明された。
ストリップのデッドチャンネルの全600000chに対する割合は0.008%と極めて低い。
放射線耐性も問題ないことが確かめられた。
また、放射線によるリーク電流の増加のメカニズムを調べる基礎実験も行ない、
放射線照射量とリーク電流が比例することを確かめた。
これにより、SiO表面でリーク電流が起こっているらしいことがわかった。
本試験について、増田が修士論文にまとめた。