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突発天体およびガンマ線バーストの観測装置の開発

HXDの周囲はBGO結晶でアクティブシールドされているが、このBGOの表面積は 非常に大きいため、それ自体が優れた観測装置(Anti検出器)となり、 ガンマ線バースト、ブラックホールなどの突発天体、太陽フレアなどの観測 を行なうことができる。 これらの天体を常時モニターすることができる点は、GLAST衛星とよく似ており、 我々の研究室は将来的には両者を連携させたユニークな観測を目指している。

本年度は、電子信号処理部を改良して、ガンマ線バーストをより効果的に観測できる ことを目指した。 そのためにアナログ回路部の設計を見直し、さまざまな試験を行った。 また、GLASTとの連携観測に備えて、GLASTと同じような観測シミュレーターが 必要である。 特に、この観測装置は応答関数が非常に複雑となるため、Geant4を用いることが 必須である。 そのため、宇宙研がGeant4で開発したHXDジオメトリを用いて、GLASTと同じ枠組 みでシミュレーションするための準備を進めている。 本年度は、上空のバックグラウンドモデルを構築するため、 GLAST用のものを低エネルギー側まで伸ばしたものを用いて評価した結果、 少し修正が必要であることがわかり、現在作業が進められている。 また、BGOシンチレータの低エネルギーガンマ線に対する反応がGeant4で 正しく再現されているかの確認も行い、問題ないことがわかったが、さらなる 細かい確認が必要である。



Yasushi Fukazawa 平成14年5月25日