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低エネルギーガンマ線検出用シリコンストリップの開発

本年度は昨年試作した低ノイズ両面シリコンストリップ(DSSD)と低ノイズ多 チャンネル読み出し回路VA32TAの基礎特性試験を行なった. 試作したDSSDは,厚さ0.3mm,ストリップピッチが0.4mmと0.8mmのもので,それぞ れ64ch, 32chである. ストリップ長は24mmである. pストリップギャップを3種類変えたものをつくって,ノイズ特性を調べた. DSSDは低容量低リーク電流であること,DSSDの1chをプリアンプで読みだしたと きは1.5keVの良い分解能を達成することを確認した. ストリップギャップが大きいものの方が容量は小さかった。 また,VA32TA 1つと片面シリコンストリップと接続してX線を当てたところ, 64chを加算した状態で,1.3keVのエネルギー分解能を達成することが確認された. この値は,シリコンストリップでは,今まで報告例がないくらいの良い値である. また,VA32TAを複数読み出すためのシステムの構築を行ない, 2つのVA32TAを用いて両面DSSDを読み出すことに成功した. そのときに得られたX線イメージを図2に示す. 本研究は,宇野の修士論文としてまとめられた.

また,来年度に試作予定のコンプトンカメラによる偏光測定のため,コンプトン 散乱を利用した偏光ガンマ線の発生を実験室で進めた. さらに,シリコンストリップの場所によるX線応答のマッピングを行なうための セットアップの立ち上げも行なった.

図 2: $^{241}$Amを当てたときの両面シリコンストリップで得られたスペク トル(左)とX線イメージ(59.5keV,右).
\includegraphics[width=8cm]{amerin13.ps}
    
\includegraphics[width=8cm]{leaf.ps}



Yasushi Fukazawa 平成16年4月2日