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高阻止能シンチレータ+アバランンシェフォトダイオードの開発

前年度で,フォトダイオードで読みだした場合は,GSOよりもBGOの方が光量が大 きくなることがわかった. ただ,GSO/BGOをフォトダイオードで読み出す場合は、どうしても ノイズによってエネルギー分解能やthresholdが決まってしまうので、 量子効率の良さが十分に引き出せない. この問題を解決する可能性としてAPDによる読みだしを試みた. アバランシェフォトダイオード(APD) で内部増幅させてから信号を取り出せば、ノイズの寄与が小さくなる。 従来は、有効面積の大きいAPDがなかったり, APDの内部増幅が温度で安定しなかったり、 歩留まりが悪かったりしたが、最近になって安定して性能の良いAPDが市販され るようになったことが東工大らに報告されているので、 我々も浜松ホトニクスのカタログ品 S8664-55を購入して、5mm角のBGOと組み合わせた。

-30度で得られたスペクトルを図5.2を示す。 左図のように$^{137}$Csの662keVを当てたときは、Bi-Kのエスケープラインが はっきりと見える。エネルギー分解能は、実に6.2%となり、PMTやPDで読みだした場 合よりも良くなった。 また、左図のように、$^{57}$Coを当てたときは、14keVのピーク がはっきり見え、thresholdが10keV以下にまで下がっていることがわかる。 これまでBGOは光量が小さいと言われてきてthresholdが50keV前後だったことを考える と,これらの結果は非常に画期的なことである. これらの結果から,アバランシェフォトダイオードとBGOの組み合わせは,100keV-1MeV のガンマ線の検出器として非常に有効であることがわかった.

図 3: APDとBGOを組み合わせて $^{137}$Cs(662 keV、左図)と$^{57}$Co (14 keV, 122keV、右図)のガンマ線を当てたときのスペクトル。 -30度で測定。
\includegraphics[width=8cm]{apdspec1.eps}
    
\includegraphics[width=8cm]{apdspec2.eps}



Yasushi Fukazawa 平成16年4月2日