next up previous
次へ: 広島大学への新望遠鏡の移設計画 上へ: nenji03 戻る: コンプトンガンマ線カメラのバックグラウンドのシミュレーション

医療用検出器の開発

日本においてガンで死亡する人の約3%は、医療診断による 医療被ばくが原因と考えられている。日本では年間30万人が ガンで亡くなっているので、その内の約1万人が医療診断による 被ばくで亡くなっていることになる。よって少ない照射量で 精密な測定ができる機器が必要とされている。 シリコン・ストリップ検出器(SSD)は素粒子実験等で 荷電粒子の位置検出器として広く用いられている検出器である。 SSDはX線光子を一個一個検出できる能力を持っているが、 厚さが数百ミクロンと薄いため、X線をSSDに対して 垂直に照射すると、ほとんどのX線は貫通してしまう。 この問題にはうまい解決法があり、SSDを層状に積上げ、 X線をストリップに対して 垂直に入射させることで、ほぼ100%のX線光子を一個一個 検出できるX線撮像装置を作ることができる。この場合、 一つのストリップは撮像装置における一つのピクセルとして 動作している。SSDとSSDの間にX線阻止能の大きなタングステン等 の薄い板を挟み込めば、人体中で発生する散乱X線も効果的に 除去することができる。SSDは高速の読み出しも可能なので X線CTに特に適している。 本研究は,吉田が中心となって進めている.



Yasushi Fukazawa 平成16年4月6日