銀河団の中心部において放射冷却が抑制されていることが最近の観測によってわ かっており、そのための熱源が何かということが話題になっている。 我々は、明るい12個の銀河団の中心付近の高温プラズマの物理量を系統的に調べ た結果、AGNによる加熱や周囲からの熱伝導というよりは、銀河団形成に伴って 解放される重力エネルギーが関係しているのではないか、という傾向を得た。 また、そうした銀河団形成に伴う銀河団同士の合体で、高温プラズマに乱流が発 生して、加熱につながることもいわれているため、Chandra衛星のデータを用い て高温プラズマの分布の揺らぎのスペクトルを調べた。 本年度は解析手法を確立する段階であったが、5kpcくらいの細かいスケールまで 揺らぎが存在している兆候を見つけた。