シンチレータ光を読むセンサーとしてアバランシェフォトダイオード(APD)が脚光を浴
びている。
光電子増倍管の替わりにコンパクトなAPDを用いることによって,検出器のデザ
インに自由度が増える.
昨年度に引続き、高阻止能シンチレータBGOとAPDの組み合わせの特性
試験を進めた。
本年度は、衛星軌道上での放射線劣化を試験すべく、広島大学工学部においてガ
ンマ線(Co)照射を、放射線医学研究所においてプロトン照射を行った。
両方とも10kradを当てた。
その結果、リーク電流の増加は見られたが、普通のフォトダイオードと同じ程度
であり、アバランシェによる影響はないことがわかった。
ただし、シンチレータと組み合わせたときのノイズの増加が見られ、現在それに
ついて衛星上での実際の影響や、原因を追求するための追加試験を行っている。
また、NeXT衛星を想定して、板BGOのAPDによる読み出しを行い、シンチレーショ
ン光の効率的な読み出しを探っている。
本年度は、APDの数や受光面積を変えてみて光集収率を測定した。その結果、
単純に受光面を大きくしても光集収
率は比例して増加しないことがわかった。