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ブラックホールを含む連星の増光時の降着円盤の構造

ブラックホールは普通の恒星と連成をなしているときは,恒星からの物質がブラッ クホールの強い重力で流れ出し,ブラックホールの回りに降着円盤を形成して, その内側がX線で明るく輝いて見える. 我々は,そうしたブラックホールを含むと考えられている天体 4U1630-47 につ いて,RXTE衛星の長期間観測のデータを宇宙研久保田氏とともに解析を行なった. この天体は,約600日ごとに突然明るくなる現象(フレア)を起こすことが知られ ており,フレアごとにX線スペクトルの様子が異なることがわかった. スペクトル状態は,主に3種類に分類され,ブラックホール天体 XTEJ1550-564で 見られたものと一致した. 図9 に示すように,標準降着円盤状態,逆コンプトン散乱が効いた 状態,放射圧で膨らんだSlim diskの状態の3つに相当するものと考えられ,後者 2つはX線光度の大きいときに現れることも,わかった. これにより,ブラックホール周囲の降着円盤の物理状態がX線光度によって大き く変わり,その様子はどのブラックホール天体でも共通に理解されることが示唆 された.

図 9: 4U1630ー47で観測された3種類のX線スペクトル状態. 上から,標準降着円盤状態,逆コンプトン散乱が効いた状態,放射圧で膨らんだ Slim diskの状態と思われる.
\includegraphics[width=10cm]{4uspec.ps}



Yasushi Fukazawa 平成16年4月6日